1.猫アレルギーとは
猫アレルギーの原因は、毛そのものではなく、猫の唾液や皮脂、フケにふくまれるたんぱく質です。いちばん多い原因は「Fel d 1(フェルディーワン)」とよばれるもので、とても小さく、部屋の中を長くただよい、服や家具にもつきます。猫を飼っていない家や学校でも見つかるほどです。
✓よくある症状くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ・充血、せき、皮膚のかゆみやじんましん。
✓とくに気をつけたい症状ぜーぜー・ひゅーひゅーする、息が苦しい。ぜん息のことがあります。すぐに受診しましょう。
✓「アレルギーが出ない猫種」はないアレルギーが出にくいといわれる種類もありますが、まったく出ない猫種はありません。出かたは、種類より1匹ずつのちがいが大きいです。
2.まずすること

手順1アレルギー科・耳鼻科・皮膚科で検査本当に猫が原因か、血液検査などで確かめましょう。ハウスダストや花粉など、ほかの原因のこともあります。

手順2寝室には入れないいちばん長くいる寝室を、猫が入らない部屋にするだけでも、ちがいが出ます。

手順3掃除と空気清浄機を始めるHEPAフィルターつきの掃除機と空気清浄機、こまめな拭き掃除と洗濯。

手順4症状を記録するいつ・どこで・どんな症状が出たかをメモすると、対策の効き目がわかります。
自己判断で、がまんし続けない鼻や目の症状を放っておくと、ぜん息に進むことがあります。治療しながら、工夫を続けましょう。
3.病院でできること(治療)
✓飲み薬・点鼻薬・目薬抗ヒスタミン薬や、鼻に入れるステロイド薬などで、症状をおさえます。毎日飲める薬も多いです。
✓ぜん息があるとき吸入薬で、発作をおさえる治療をします。
✓免疫療法(アレルゲン免疫療法)アレルギーの原因に少しずつ体を慣らす治療です。日本で一般的なのはスギ花粉とダニで、猫の免疫療法は、まだ一般的ではありません。受けられるかは、アレルギーの専門医に相談しましょう。
4.「猫アレルギーは慣れる」は本当?
小さいころから猫と暮らしている子どもは、アレルギーになりにくいという研究報告があります。一方で、すでにアレルギーがある大人が、いっしょに暮らすうちに「慣れて治る」ことを確かめた研究は多くありません。症状が軽くなったように感じても、気づかないうちにぜん息が進んでいることもあります。
「慣れる」を期待して、治療をしないのはやめましょう慣れるかどうかは人によってちがい、悪くなる人もいます。医師と相談しながら、薬と暮らしの工夫で症状をおさえるのが安全です。
5.暮らしの工夫(いっしょに暮らし続けるために)
✓寝室は猫なしの部屋に布団やまくらには、アレルゲンを通しにくいカバーを。
✓HEPAの空気清浄機猫がよくいる部屋と寝室に置きましょう。
✓じゅうたん・布のソファを減らすアレルゲンがたまりにくい床や、洗えるカバーに。
✓掃除は、こまめにHEPAフィルターつき掃除機と、ぬれた布での拭き掃除。
✓カーテン・寝具を洗うこまめな洗濯で、たまったアレルゲンを落とします。
✓トイレは清潔に・砂ぼこりの少ない砂猫のおしっこにもアレルゲンがふくまれます。
✓さわったら手を洗う顔や目をさわる前に。
✓換気をする窓を開けて、空気を入れかえましょう。
アレルゲンを減らすキャットフード猫の毛やフケのFel d 1を減らすキャットフードがあります。メーカーの10週間の調査では、毎日食べた猫の毛の活性アレルゲンが、3週目から減り、平均47%少なくなりました。ほかの対策のかわりではなく、いっしょに使うものです。
6.妥協点の例
✓部屋を分けて暮らす猫が自由に動ける部屋と、入らない部屋を決めます。
✓お世話の係を分けるアレルギーのない家族が、ブラッシングやトイレ掃除を受けもちます。
✓症状が強い時期だけ預ける花粉の時期など、症状が強いときだけ、家族や知人、ペットホテルに預ける方法もあります。
✓これ以上は増やさない多頭飼いはアレルゲンが増えます。新しく迎えるのはひかえましょう。
ペットの預け先をさがすペットホテル・預かりもする動物病院さがす ›7.どうしても一緒に暮らせないとき(最後の手段)
治療と工夫を続けても、ぜん息の発作が続くなど、家族の健康に大きな影響があるときは、新しい家族を探すことも考えます。すぐに決めず、医師ともよく相談しましょう。
1親族・知人に引き取ってもらう会いに行ける関係なら、猫も家族も安心です。
2里親を探す里親募集サイトや、保護団体の譲渡会を使いましょう。性格や病気のこと、食べているものを正直に伝えます。渡す前に会って、住まいや家族の考えを確かめましょう。
3それでも見つからないときは、センターに相談飼い主からの引き取りは、有料で、条件があることが多いです。手放すのは最後の手段です。
捨てるのは犯罪です動物を捨てると、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。どんな理由でも、捨てたり外に放したりしてはいけません。
ほかのケース
よくある質問
Q猫アレルギーでも、飼い続けられる?
A症状が軽ければ、薬と暮らしの工夫で飼い続けている人もいます。寝室に入れない、空気清浄機、こまめな掃除などを組み合わせましょう。ぜん息がある、症状が強いときは、医師に相談しながら決めます。
Q猫アレルギーは慣れる?
A小さいころから一緒に暮らす子どもはアレルギーになりにくい、という報告はあります。ただ、大人が慣れて治ることを確かめた研究は多くなく、悪くなる人もいます。慣れるのを待たずに治療しましょう。
Qアレルギーが出にくい猫種は?
A出にくいといわれる種類はありますが、まったく出ない猫種はありません。1匹ずつのちがいが大きいです。
Q何科に行けばいい?
Aアレルギー科、耳鼻咽喉科、皮膚科、内科などです。子どもは小児科へ。血液検査で、原因を調べられます。
Q空気清浄機は効く?
AHEPAフィルターつきの空気清浄機は、空気中のアレルゲンを減らすのに役立ちます。掃除や寝室を分けることと、いっしょに使いましょう。
Q赤ちゃんが生まれる。猫はどうする?
Aすぐに手放す必要はありません。赤ちゃんの寝る場所に入れない、さわったら手を洗う、などから始めましょう。心配なときは小児科に相談します。
Q手放すしかないときは?
A親族や知人、里親を探しましょう。捨てるのは犯罪です。動物愛護センターへの引き取りは、最後の手段です。
このページは一般的な情報で、医療の判断のかわりにはなりません。症状は医師に相談してください。
参考:Cats Protection「The world's first cat allergen reducing cat food」(2020)/HumanePro「Nothing to sneeze at」