1.まず確かめること
拾う前に、本当に保護が必要かを見ます。子猫は近くに母猫がいることが多く、首輪のある猫は外に遊びに出ているだけかもしれません。

近くに母猫がいないか子猫だけでも、母猫がえさを探しに行っているだけのことが多いです。弱っていなければ、離れたところから見守ります。

すぐ保護したほうがいいとき体が冷たい、鳴かない、動かない、けがをしている、車の通る道や雨の中にいる。このときは待たずに保護します。

首輪・人慣れ・さくら耳飼い猫や地域猫かもしれません。保護すると、帰る場所に戻れなくなることがあります。

箱に入れて捨てられている動物を捨てるのは犯罪です。箱や貼り紙はそのままにして、警察に連絡します。
2.動物ごとにすること
選ぶと、中身が切りかわります
今夜すること(子猫)
- 1
まず温める深めの箱にタオルを敷き、タオルでくるんだ湯たんぽ(ペットボトルにお湯)やカイロを入れます。温度は人の肌くらい。子猫が熱いと感じたら離れられるよう、箱の半分だけ温めます。
- 2
体が温まってから、子猫用ミルク冷たいうちはミルクをあげません。ミルクは袋に書いてある温度と量で。はじめは少しずつ、子猫をうつぶせにして飲ませます。
- 3
おしっこ・うんちを手伝うミルクのあとに、ぬるま湯でしめらせたティッシュでお尻をやさしくトントン。生まれてしばらくは、自分では出せません。
- 4
ほかのペットと分けるノミや病気がうつることがあります。病院でみてもらうまでは別の部屋で。さわったら手を洗います。
ミルクより先に、温めること体が冷えた子猫は、ミルクをうまく消化できません。1〜3時間かけてゆっくり温め、温まったら動物病院に電話して、みてもらう日を決めます。
生後どれくらい?(見分け方の目安)
| 生後 | 体のようす | ごはん | ミルクの間隔 |
|---|
| 〜1週 | 目が閉じている。へその緒がついている(3〜5日で取れる) | 子猫用ミルク | 2〜3時間おき |
|---|
| 1〜2週 | 目が開きはじめる(5〜10日ごろ) | 子猫用ミルク | 3時間おきほど |
|---|
| 2〜3週 | よろよろ立ち上がる | 子猫用ミルク | 3〜4時間おき |
|---|
| 3〜4週 | 乳歯が生えはじめる。歩く | ミルク+離乳食を少し | 4時間おきほど |
|---|
| 4〜8週 | 走る、遊ぶ、兄弟とじゃれる | 離乳食 → 子猫用フード | — |
|---|
生まれたときの体重は85〜110gほどで、1日10〜15gずつ増えるのが目安です。体重は子によってちがうので、目や歯のようすと合わせて見ます。
部屋の温度の目安
生後1週30℃前後
2週27℃前後
3週25℃前後
4週22℃前後湿度は60%ほど

首輪がある・人に慣れている外に遊びに出ている飼い猫かもしれません
- 自分で食べたり歩いたりできていれば、保護すると家に帰れなくなることがあります。
- すぐ連れて帰らず、しばらく様子を見ます。迷子の張り紙が近くにないかも見ます。
- 気になるときは、首輪の写真を撮って、センターや警察に「見かけた」と伝えます。

耳の先がV字に切れているさくら耳。地域で世話をされている猫です
- 不妊・去勢手術がすんでいる印です。
- 地域の人が見守っているので、保護せずにそのままにします。

けがをしている・動けないすぐに保護か通報を
- 道路や公園などで動けない猫は、動物愛護センターや保健所に通報できます。
- 素手でさわらず、手袋やタオルを使います(弱った猫からうつる病気があります)。
- 自分で動物病院へ連れて行くこともできます(費用は自分で払います)。

迷子の犬飼い主が探している可能性が高いです
- 首輪、鑑札、狂犬病の注射済票、迷子札を見ます。鑑札の番号から、市区町村が飼い主を調べられます。
- 警察と、拾った場所の動物愛護センターの両方に連絡します。犬は飼い主がすぐ届けていることが多いです。
- マイクロチップは、動物病院やセンターで読み取れます。

こわがっている・うなる犬無理に捕まえません
- 近づくと噛まれることがあります。追いかけると車道に飛び出すこともあります。
- 居場所と特徴を、センター(夜や休日は警察)に伝えて、来てもらいます。

子犬大人の犬と同じ扱いです
- 飼い主がいないか届けたうえで、動物病院でみてもらいます。
- 飼うことになったら、生後91日をすぎてから30日以内に市区町村へ登録し、狂犬病の注射を受けます。

うさぎ・インコ・カメなどのペット落とし物として警察へ
- 犬・猫以外のペットは、警察に届けます。飼い主が届けていないか確かめてもらえます。
- ミドリガメ(アカミミガメ)は飼い続けられますが、外に放すことは禁止されています。

スズメなど野鳥のヒナ拾わずに、そっとしておきます
- 巣立ったばかりのヒナは、親鳥が近くで見ています。
- 拾ってしまったら、拾った場所に戻します。危ない場所なら近くの茂みや木の上へ。
- 野生の鳥獣は、許可なく捕まえたり飼ったりできません(鳥獣保護管理法)。けがをしているときは、都道府県の野生鳥獣の担当に相談します。
3.連絡するところ
飼い主が探しているかもしれません。拾った場所を受け持つ動物愛護センター(保健所)と、警察の両方に連絡しておくと確実です。飼い主はどちらかに問い合わせることが多いからです。
| 連絡先 | すること |
|---|
| 動物愛護センター・保健所 | 保護したことを伝えます。飼い主から「いなくなった」と問い合わせが来ていないか確かめてもらえます。引き取りの相談もここです。 |
|---|
| 警察(交番・警察署) | 落とし物として届けます。夜や休日でセンターが閉まっているときは、一時的に預かってくれることがあります。 |
|---|
| 動物病院 | マイクロチップが入っていないか、読み取ってもらえます。けがや体調もみてもらいます。 |
|---|
| 市区町村(犬の鑑札があるとき) | 鑑札の番号から、飼い主を調べられます。 |
|---|

拾った場所の窓口をさがす
市区町村の名前を入れると、その地域を受け持つ動物愛護の窓口と電話番号が出ます。都道府県・市の一覧から選ぶ
出典:環境省「地方自治体連絡先一覧(動物の愛護と適切な管理)」令和8年5月現在。電話は各自治体の担当の部署です。保健所や動物愛護センターの電話番号を案内されることもあります。
夜中・休日に拾ったときセンターが閉まっている時間は、警察に相談します。けがをしているときは、夜間の動物病院に電話してから連れて行きます。
4.動物病院でみてもらうこと
ノミ・ダニ駆除の薬をつけてもらいます。マダニは無理に取らず、病院で取ってもらいます。
お腹の虫うんちを持って行くと検査できます。薬を飲んだあとも、もう一度検査します。
猫エイズ・猫白血病の検査子猫は、陽性でも本当の感染でないことが多いです。1か月以上あけて、もう一度検査します。
マイクロチップの読み取り入っていれば、飼い主が見つかるかもしれません。
ワクチン猫は生後8〜9週から、2〜4週あけて2〜3回。犬は時期を病院で相談します。
避妊・去勢猫は生後半年ほどで子どもを産めるようになります。時期を相談します。
費用の目安
初診料1,500円中央値
ワクチン(猫)6,000円ほど1回
去勢(オス猫)1.2万円ほど
避妊(メス猫)2.3万円ほど中央値・検査や入院は別
飼い主のいない猫の不妊・去勢手術には、助成をしている自治体もあります。保護した場所の市区町村に聞いてみます。
近くの動物病院をさがすいま開いている病院を、近い順にさがす ›5.法律と手続き

拾った犬・猫は「落とし物」法律(遺失物法)では、拾った人は飼い主に返すか、警察に届けるのが原則です。センターに引き取りをお願いした場合は、警察に届ける決まりは当てはまりません。

警察に届けると、3か月で拾った人のものに公告から3か月たっても飼い主が出てこなければ、拾った人のものになります。拾ってから1週間以内に届けないと、この権利はなくなります。

飼い主が見つかったら預かっていたあいだの治療費やえさ代を請求できます。お礼(報労金)は価格の5〜20%。返したあと1か月以内に請求します。

犬を飼うなら登録と注射30日以内に市区町村に登録し、毎年1回狂犬病の予防注射を受けます。マイクロチップが入っていれば、30日以内に変更登録(オンライン400円)。
センターも、引き取りを断ることがあります2020年6月から、まわりの生活に困りごとがないと判断した場合などは、センターは引き取りを断れるようになりました。元気な猫や地域猫は、引き取らない自治体が多いです。
6.そのあと(飼う・里親を探す)
センターから飼い主に戻った猫225匹令和6年度・全国
新しい飼い主に譲られた猫16,854匹同じ年
殺処分された猫4,866匹うち子猫2,579匹
猫は、センターから元の飼い主に戻ることがとても少ないです。センターに渡せば安心、とは言いきれません。飼い主が見つからなかったときにどうするかを、早めに考えておきます。

自分で飼う一生お世話をする覚悟で
- 猫は室内で飼うのがすすめられています。
- 犬は市区町村に登録し、狂犬病の注射を受けます。
- ワクチン、避妊・去勢、毎年の健康診断など、医療費がかかります。

里親を探す新しい家族につなぐ
- 里親募集サイトや、自治体・保護団体の譲渡会を使います。
- 写真、性格、ワクチンや検査の結果を書いておくと、決まりやすくなります。
- 渡す前に会って話し、相手の住まいや家族の考えを確かめます。

自分では飼えないまずセンターに相談
- 拾った場所の動物愛護センターに相談します。
- 元の場所に戻すのは「捨てた」とみなされることがあります。
- えさだけをあげ続けると、子どもが増えて地域の困りごとになることがあります。
自分のペットが迷子になったら探し方、届け出先、チラシの作り方見る ›よくある質問
Q子猫が1匹で鳴いている。すぐに拾っていい?
A危険な場所でなければ、まず離れて様子を見ます。子猫だけに見えても、母猫がえさを探しに行っていたり、子猫を1匹ずつ運んでいる途中だったりすることが多いです。体が冷たい、ぐったりしている、車の通る道や雨の中にいるときは、待たずに保護します。
Q母猫は、どれくらい待てば戻ってくる?
A全国で決まった時間はありません。熊本市は「最初の1〜2日は様子を観察」、佐賀県は「数日は観察」と案内しています。ただ、子猫が弱っているときは待ちません。人が近くにいると母猫が戻れないので、離れたところから見ます。
Q子猫に牛乳をあげてもいい?
Aあげません。牛乳は子猫のおなかに合わず、下痢をおこします。ペットショップや動物病院で買える、子猫用のミルクを使います。
Qミルクは何時間おき?どれくらい?
A生まれたばかりの子猫は2〜3時間おき、少し大きくなると3〜4時間おきが目安です。1回の量はミルクの袋に書いてある量に合わせます(例:生後1週で1回2〜4ml)。はじめは少しずつ飲ませます。
Q子猫が冷たくて、ミルクを飲まない
A先に温めます。冷えたまま飲ませると、うまく消化できず危険です。タオルでくるんだ湯たんぽなどで、1〜3時間かけてゆっくり温め、動物病院に電話して指示をもらいます。
Q子猫のおしっこやうんちが出ない
A生まれて間もない子猫は、自分で出すことができません。ミルクのあとに、ぬるま湯でしめらせたティッシュやガーゼで、お尻をやさしくトントンして出させます。
Q拾った犬や猫は、警察に届けないといけない?
A法律では落とし物(遺失物)として扱われます。ただし、動物愛護センターや保健所に引き取りをお願いした場合は、警察に届ける決まりは当てはまりません(遺失物法4条3項)。飼い主を探すなら、センターと警察の両方に連絡しておくのが確実です。
Q夜中や休日に拾ったら?
Aセンターが閉まっている時間は、警察が一時的に預かってくれることがあります。けがをしているときは、夜間の動物病院に連れて行く方法もあります。夜間の診察代は自分で払うことになります。
Q保健所(センター)に連れて行ったら、殺処分される?
Aその可能性はあります。令和6年度、全国で殺処分された猫は4,866匹で、そのうち2,579匹が子猫でした。一方で、16,854匹の猫が新しい飼い主に譲られています。連れて行く前に、自分で飼う・里親を探す方法も考えておきます。
Q保健所に引き取りを断られた
A元気で自分で暮らせる猫、首輪のある猫、地域猫、耳先がカットされた猫などは、引き取らない自治体が多いです。断られた猫を警察に持って行くことはしません。自分で飼うか、里親を探すか、保護団体や地域猫のボランティアに相談します。
Q拾った猫を、自分で飼ってもいい?
A飼えます。ただ、飼い主がいるかもしれないので、先に警察とセンターに届けて、飼い主を探します。警察に届けた場合は、3か月たっても飼い主が出てこなければ、拾った人のものになります。
Q届けずにそのまま飼ったらどうなる?
A飼い主がいた場合、返してほしいと言われることがあります。人のものを届けずに自分のものにすると、罪(遺失物等横領)になることもあります。届けた記録を残しておくと安心です。
Q飼い主が見つかったら、病院代はどうなる?
A警察に届けた人は、預かっていたあいだの治療費やえさ代を、飼い主に請求できます。お礼(報労金)は、価格の5〜20%と法律で決まっています。どちらも返したあと1か月以内に請求します。
Q首輪に鑑札がついていたら?
A鑑札は、犬が市区町村に登録されている印です。書かれている市区町村に問い合わせると、飼い主がわかります。
Qマイクロチップが入っているか知りたい
A動物病院、動物愛護センター、保健所で、専用の機械で読み取れます(読めない病院もあるので、先に電話で聞きます)。飼い主の情報を調べられるのは、自治体や警察です。
Q先住の猫に、病気がうつらない?
Aノミ、お腹の虫、猫かぜ、猫エイズ・猫白血病などがうつることがあります。病院でみてもらうまでは別の部屋で過ごさせ、さわったら手を洗います。猫は来てから7〜10日ほど、食欲や下痢を見ます。
Q子猫の猫エイズの検査が陽性だった
A子猫の陽性は、母猫からもらった抗体のせいで、本当の感染ではないことが多いです。調査では、初めて陽性だった子猫の91.2%が、2回目で陰性になりました。生後5か月ごろに再検査します。
Q病院代はどれくらいかかる?
A初診料は1,500円ほど(中央値)。ノミ・お腹の虫の薬、便の検査、ウイルス検査を合わせると、数千円〜1万円台になることが多いです。そのあと、ワクチン(1回6,000円ほど)や避妊・去勢手術がかかります。
Qスズメのヒナを拾った
A野生の鳥は、法律(鳥獣保護管理法)で、許可なく捕まえたり飼ったりできません。巣立ったばかりのヒナは親鳥が近くにいるので、拾った場所に戻します。危ない場所なら、近くの茂みや木の上に移します。
Qインコやうさぎを拾った
A犬・猫以外のペットは、落とし物として警察に届けます。飼い主が「いなくなった」と届けていることがあります。
Q自分では飼えない。どうすればいい?
Aまず、拾った場所の動物愛護センターに相談します。里親募集サイトや譲渡会、保護団体を使う方法もあります。元の場所に戻すのは「捨てた」とみなされることがあるので、相談せずに戻すことはしません。
Q箱に入れて捨てられていた
A動物を捨てるのは犯罪です(1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)。箱や貼り紙はそのままにして、警察に連絡します。子猫が弱っているときは、警察に伝えたうえで保護します。
引き取りや手続きの決まりは、都道府県・市によってちがいます。最後は、拾った場所の動物愛護センター・保健所に電話で確かめてください。子猫の世話の数字は目安で、ミルクの量は製品の表示に従ってください。
参考:環境省「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」/環境省・警察庁「所有者の判明しない犬又は猫が拾得された場合の取扱い」/香川県・埼玉県・熊本市・宮城県の動物愛護センターの案内/日本獣医師会「家庭飼育動物の診療料金実態調査」(令和5年)/日本獣医師会雑誌71巻(2018)